Oracle EBS導入事例 - 安藤建設株式会社様
Oracle E-Business Suite上に建設業界向け会計テンプレートを導入し
全社レベルで大きな業務改革効果を享受
創業130年の歴史を誇り、高い技術力と企画提案力を強みとする「VALUE創造専門家集団」安藤建設株式会社。同社では、業務改革プロジェクトを立ち上げ、業務のスピードアップ、効率向上、標準化をめざして業務改革を行うとともに、部分最適に陥り、部門間の連携が取りにくくなっていた、メインフレームをインフラとした基幹システムの全面的な刷新を決断しました。一連の業務改革プロジェクトの総仕上げとなった会計システムの導入において、同社はOracle E-Business Suite上に建設業界向け会計テンプレートを開発した日揮情報システムに注目。いったん決めた他社製ERP製品の選択を白紙に戻し、日揮情報システムのシステムインテグレーションのもとでこれを導入、現在では全社レベルで大きな業務改革効果を享受しています。
部分最適に陥り、連携で苦しんだメインフレームベースの基幹システム
安藤建設では、1996年にメインフレームをインフラとする新管理系システムを導入して以来、広くこれを利用してきました。処理性能が高く、極めて安定的に稼働するシステムではありましたが、システムの追加、変更を繰り返していくうちに、部分最適システムになってしまったため、部門間での連携がなかなかうまくいきませんでした。そのため、データの二重入力や不整合が生じていました。また、各部門のデータがそれぞれが孤島のように散在していたことから、会社の活動状況を俯瞰したいと思っても、データの収集・加工に手間取り、結果が出るまでに長い時間と大変な労力がかかっていました。その結果、経営判断の裏付けとなるデータが手に入りにくくなっていたため、解決したい経営課題が生じても、迅速に意思決定を下すことが難しくなっていました。
一方、同社では2000年以降、競争の厳しい建設業界を生き抜くため、できるだけムダのない“筋肉質な”組織を志向するようになっていました。特に管理部門は少数精鋭主義で業務を処理することが求められるようになりました。少ない人数で多くの仕事をこなすためには、どうしてもスマートで利便性の高いシステム支援が必要となっていたのです。
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こうした状況から、同社は、業務のスピードアップ、業務の効率向上、業務の標準化を目的として、一大業務改革プロジェクトを立ち 上げることを決断しました。その根底にあるのは、“発生元入力による全体最適化”というキーワードでした。
“建設業向けに最適化会計システムを選びたい”
この業務改革プロジェクトでは、新しい業務プロセスに最も適したパッケージ製品を選択し、その製品どうしでデータを連携させる手法を取ることにしました。パッケージ製品であれば、自社開発するよりも投入するパワーもコストも少なくてすみ、事業環境の変化や技術革新に合わせたバージョンアップにもすみやかに対応することができるからです。業務改革プロジェクトでは、営業、人事・給与と業務ごとに製品を次々と選定していきました。同じようにして、会計システムもまた、ある国産コンピュータベンダーの製品をピックアップしました。どの会計パッケージも建設業会計に対応したものがなかったため、企業規模に合っているかどうかという観点で判断しました。そして、同プロジェクトではビッグバン方式ですべての業務システムを一気に刷新しようとしました。しかし、そこに経営幹部から“待った”がかかりました。いくらなんでもすべてを一度に変えるのはリスクが大きすぎるという判断です。これにより、業務ごとにフェーズを分けて導入が進められることになり、会計システムは業務改革プロジェクトの総仕上げとして導入することになりました。

そうこうしているうちに、情報企画部は、ひょんなことから、日本オラクルが同社のERPパッケージ製品であるOracle E-Business Suite(以下、Oracle EBS)のテクニカルセミナーを開催することを知ります。その中に同業者である東亜建設工業株式会社の事例紹介があるのを知って参加してみることにしました。ERPパッケージ製品は市場に数あれど、建設業向けに最適化されたものは存在しないと考えていたからです。発表していたのは日揮情報システムの営業担当者でした。聞けば、東亜建設工業での導入経験から建設業向けテンプレートを開発したといいます。安藤建設株式会社 社長室 情報企画部 副部長 庄司雅彦氏は、そのときの印象をこう語ります。
「建設業のことをよく理解しているなと思いました。テンプレートもしっかりしていて、それほどカスタマイズを加えなくても使えるのではないかと期待を持ちました」
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実は、東亜建設工業は安藤建設と業務提携を行う予定の企業でした。両社は1970年代半ばに海外事業で協力関係を築いて以来、国内での人材交流や施工協力を行っており、土木工事に特徴を持つ前者と建築工事に強みを持つ後者が、相互に補完し合いながらより緊密な連携関係を図っていくことが望ましいと判断された結果でした。 |
この建設業テンプレートの存在を知って安藤建設の経営幹部も、「それを使った方がいいのではないか」とコメントします。安藤建設株式会社 社長室 情報企画部 部長 森田雅支氏は、正しい判断であることの確信を得るために、日揮情報システムが参加するセミナーを“はしご”しました。
「聞けば聞くほど、おもしろいことをいうシステムインテグレータだという印象を強くしました。特に印象に残っているのは、“基幹業務パッケージの導入プロジェクトの際には、超党派の最高意思決定機関が必要だ”という言葉ですね。これはプロジェクトの本質がわかっている、任せても安心だと思えました」
そして、情報企画部は会計システムパッケージを他社製ERP製品からOracle EBSに、システムインテグレータを日揮情報システムに選定しなおしました。
日揮情報のスキルと経験に富んだPM力がプロジェクトを円滑に推進
| 日揮情報システムのプロジェクトマネジメント力は、安藤建設の期待を裏切りませんでした。本契約までに少し時間があると知ると、プロジェクトリーダーはすぐに勉強会の開催を提案しました。お互いが持っている情報、つまり、Oracle EBSの詳細と安藤建設の業容に関する情報共有です。2週間に1度のペースで開かれたこの勉強会は、単に知識の向上に役立っただけでなく、両社総勢約40名からなるプロジェクトチームの交流を深めるのに大きな役割を果たしたといいます。 | ![]() |
“この勉強会があったからこそ、キックオフ後の開発がスムーズに進んだ”と、チームメンバーの誰もが証言します。
「また今回は、日揮情報システムのプロジェクトリーダーが、われわれの要求をのむ部分、理由があってのまない部分、メリハリをつけてきっちり切り分けてくれたので、プロジェクトが混乱しなくてすみました。たとえば、“入金は複数の処理パターンを可能にしたい”といった経理担当者の要望を受け入れてくれましたし、逆に、JVのシステム化はゆるやかでいいというわれわれの主張を、“いや、それではシステムの整合性がとれないから”と厳密な管理を主張してくれました。われわれより建設業がよくわかっているので、情報企画部は何もすることがありませんでした(笑)」
庄司副部長はこう語ります。しかし、実はプロジェクトが円滑に進んだ背景には、ユーザー部門主導を志向し、あえて情報企画部が表に立たないようにした同部の絶妙な開発体制づくりもあったのでした。
新会計システムは、2006年4月、新会計年度のタイミングで予定どおりカットオーバーを果たしました。以来、今日まで順調に安定稼働を続けています。
経理部門の業務負担が大幅軽減 経営の意志決定支援データも提供可能に
新システムの導入により、経理部門の業務は大幅に削減されました。新システムで発生元入力を実現した結果、経理部門でのデータ入力が殆どなくなったのです。従来は少人数で業務を行っていたため残業続きの職場だったのですが、定時で帰宅することもまれではなくなりました。また新システムでは、支払い業務を本社集中としたので、支店の経理業務も通常期、決算期含めてかなり軽減されているとのことです。
決算処理も、従来は20日間かかっていたものが18日間と2日早まりました。「たかが2日といわれるかもしれませんが、決算作業中はどうしても通常業務が滞ります。2日でも早く通常業務が流れるようになることは、全社的には大きな変化です」(庄司氏)
さらに、管理会計システムと財務会計システムの連携を強化したことによって、経営幹部に受注や利益といった経営指標となるデータを、迅速に取り出すことができるようになりました。
「システムが無事動いたからといって、それがプロジェクトの終わりではありません。日揮情報システムには品質の高い仕事ぶりを評価して運用もお願いしており、今後も、末永く頼りにしようと思っています」そう森田部長は語ります。
安藤建設でもまた、業務ノウハウのすぐれた理解力と、高いITスキルと、卓越したプロジェクトマネジメント力と。日揮情報システムならではの三位一体のシステムインテグレーションが、会計システム刷新という安藤建設のミッションクリティカルな業務改革プロジェクトを成功へと導きました。
※役職は2006年現在のものです
導入企業プロフィール
安藤建設株式会社
安藤建設株式会社は創業130年の伝統ある建設会社です。創業者 安藤庄太郎氏は、少年の頃、東京・神田で瓦業を営んでいた叔父を頼って岐阜県稲葉郡長良村から上京し、瓦業の見習いをしていましたが、明治の初め、煉瓦建築が新時代の建築であるという先見の明のもと、明治6年に16歳で独立して煉瓦建築業「安藤方」を立ち上げたといいます。 それから営々と1世紀あまり。同社は、ソフトウェア、ハードウェアの両面における高い技術力と企画提案力をもとに、顧客の事業に貢献する「VALUE創造専門家集団」として、ANDOブランドを築き上げてきました。 安藤建設の基本姿勢は、高付加価値提案、高品質建造物、長期フォローアップです。特にクリーンルームやマンションの建設やプレキャスト技術の高さで業界の内外で高く評価されています。強い現場力、特色ある技術、緊密な社内外連携力、企業の健全性などといった強みを武器に、同社は取り巻く環境の厳しい建設業界の中にあって持続的な成長を続けています。






